コラム

論理力は幼児期から教育するべき
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論理の習得は大きくなってからでよいと考えている方も多いと思います。
実は、幼児期から論理を習得することで脳が形成され、子どもの人生が変わります!

言語教育の現状と問題

私は今、幼児教育に力を入れています。今回は幼児から大人までつながる話をしていきます。

言語教育の効果があまり見られていない

多くの子供たちは、小学校、あるいは幼稚から高校3年まで週4、5時間という膨大な国語の勉強時間を費やしています。
それで役に立ったのかと言うと、何を勉強したのかよくわからない、何の役に立ったのかわからない、という人たちが圧倒的に多いのです。そういった人たちが大学に行き、社会に出ているのです。膨大な勉強時間を費やしてやっている言語教育。それなのに、効果が出ていないのが現状なのです。

教師の学習指導書に学習の目的の明記がない

実際の国語の教科書は、3つの名文が集まっていて、すごく良いのです。
1.論理的な文章、評論やエッセイ
2.文学
3.実用的な文章

でも、この3つの文章が教科書の中に入っているだけで、「どんな目的で、何のためにどのように学ぶのか」ということが教師の学習指導書に書いていません。

言語教育の目的

私は指導を以下のようにすべきだと思っています。
それは・・・文章を論理的に読む力をつけることです!

論理力を身につける

では、論理的に読むということはどういうことか・・・
それは読んだ内容が頭の中で論理的に整理されるということ。論理的に整理されるから記憶もしやすくなるし、理解できる。それについて考えることもできる。そこで得た論理力によって論理的に話したり書いたりすることができる。こういう目的があるのです。

ところが、ほとんどの子どもたちは、文章を何となく読む。何となく分かっているような分かっていないような・・そのため記憶も続かず、忘れてしまうのです。

そうやって高校3年まで何となく文章を読んで、論理力を身につけることなく大学に行き、論文の読み書きもわからない。何とか書いたら卒業させてくれた。それで社会に出る。そして今度は速読などやり始め、1日10冊読む人がいます。
でも、1冊でもその内容を完全に理解し、自分のものにすれば1000冊本を読むより価値があると思います。その上で1000冊読めばもっとすごいですね。
だから皆さんが論理的に文章を読み、論理的に整理をし、記憶し考え、論理的に話す、その力をつけた人が、実際に本を読んだら素晴らしいと思います。
読書はすごく大事だと思う。でも、その前にやることが論理的に読む方法を身につけないともったいないのです。

答えがない文章を考え込む力

その一方、文学とか哲学は、答えがないところを深く考えこむ力が必要となります。
ここも今の教育には足りていません。だから私は国語という教科を分解して、「論理力を鍛える講座」「答えがなく、深く人間とは何か人生とは何かを考えるような講座」、あとは「実用的な文章講座」に分けた方がよいと思っています。
そして先生も分けた方がいい。何のためにどのような方法でどのように勉強するかということが明確になるからです。

言語教育問題の解決策として幼児期から教育すべき

これまでお話したことは、幼児から始めるとよいのです。
よく言われるのが、論理なんてもっと大きくなってから学べばよいというけれど、これも大きな間違いです。論理は難しくありません。論理とは、言語そのものなのです。

例えば、小学校4年生で愛という漢字が出てきます。今の教育では愛という漢字を書けて漢字が書けたら、それを知っている・・ということになっています。
書き取り中心で、それを論理的な言語として捉えてないのです。

私は小学校2、3年生の授業をするとき、愛って何か説明して言うと一生懸命考えますが、出てこない。では、具体例を思い浮かべてごらんと伝えます。愛という気持ちはこの時の気持ちだな、など具体例を幾つかみんな挙げてきます。一人一人みんな違います。その中の共通の気持ちを抜き取ってごらん、これが愛だよと。
つまり、具体から次に抽象化しているのです。これが論理なのです。

そして愛という言葉を持つことによって、自分の心の中にある漠然とした気持ちを整理したり、深くとらえようとすることができてくるのです。そして、愛という言葉を通して、自分の気持ちを言葉を通して見つめ、同じように愛という言葉を通して自分と同じ感情が他の人の中にもあるのではないのかと考えることができるのです。
そうやって人とつながることができる。だから、言葉の中に既に論理があるのです。

こういった教育を幼児からやっていきます。言葉を習得する時期にただ記憶するのではなく、論理として言葉を子どもに習得させていくと、そのように脳が作られていくのです。

そうすると、物事を曖昧でなく明晰な状態で理解し考えることができる。勉強が面白くなる、コミュニケーション能力がつく、話す書くということが変わってくる。
そして大学で論文の読み書きをして、高度な力を鍛えて社会で活躍することができるのです。


幼児期から論理として言葉を習得することで、子ども供の人生が変わる、果ては世の中が変わる、教育が変わる・・・新しいことをやってます。ぜひ、この新しい出口式の教育に注目してほしいと思います。

引用:出口汪の学びチャンネル

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