読解力と思考力の土台は語彙力
こんにちは出口汪です。
出口式の幼児教育の方法に「幼児期から漢字を読む」というものがあります。漢字が読めるようになると、言葉に興味を持つようになります。
今の子どもたちは語彙力が足りないと言われています。
語彙力がないということは、読解力も思考力も身につきません。では、どうすれば語彙力を鍛え高めることができるのか。
出口式では、幼児でも「鼠」や「麒麟」といった漢字も教えています。それは、語彙力や読解力を高め脳を発達させていくことにつながります。さらに、抽象概念が理解できるようになっていきます。そんな出口式の独自の考え方を2回にわたり詳しく紹介します!今回は第1回目です!!
こんにちは出口汪です。
出口式の幼児教育の方法に「幼児期から漢字を読む」というものがあります。漢字が読めるようになると、言葉に興味を持つようになります。
今の子どもたちは語彙力が足りないと言われています。
語彙力がないということは、読解力も思考力も身につきません。では、どうすれば語彙力を鍛え高めることができるのか。
漢字は文科省の方針で書き取りが中心です。
そのため、「漢字を書ける」=「知っている」という構図が子どもたちの頭の中に描かれてしまいっています。でも、漢字を書けることと、その言葉の意味を知るということは別のことなのです。
“しょうゆ(醤油)”や“ばら(薔薇)”は恐らく漢字で書ける人は少ないと思います。パソコンで自動変換される時代です。書けなくても困ることはないですね。
しかし、読めなかったら困ります。黒い瓶に醤油と書いてあっても、醤油が読めなかったらソースかもしれない・・困りますよね。
このように「読むこと」は「意味」につながっている。そして、語彙力というのは、その漢字の意味を理解し、それを使えるようになることなのです。
文科省の方針としては、幼児はまだ手を動かすことが難しいで、漢字は小学校1年生から画数の少ない書きやすいものから始め、配当漢字を順次6年間でやっていきましょうという流れになっています。その教え方は、漢字は書けていたら知っている、読めなかったら意味が分からない。さらに読めて意味が分かっていても、使い方が分からない、というものになっています。
また、小学校に入る前の幼児は何をやるかというと、ひらがな・カタカナをやり漢字はやりません。
ところが、語彙の大半は実は漢字で、特に抽象概念というのは漢字の2字熟語です。
日本語の単語は自立語と付属語に分けることができます。付属語は助動詞・助詞で、全部平仮名。自立語は名詞・形容詞・形容動詞・動詞で単独で意味を持つ言葉です。これは、一部の和語とカタカナ語を除いては全部漢字なのです。幼児期・小学生ぐらいまでには和語やカタカナ語というのはほとんど出てきませんから、「漢字」=「語彙」と考えられます。これまで、6歳までで子供の脳の80%が出来上がり、12歳まででほぼ100%脳が完成するとお伝えしてきました。
では、なぜ6歳までで80%の脳ができるのか?
それは、言葉の習得は小学校に入るまでに、大体の子どもは簡単な日常会話ならできるようになっています。これは、当然のことのようですがすごいことなのです!特に教えることもなく、大人の会話を聞きながら気付いたら、多くの言葉を自在に操れるようになっています。
それと同時に、脳が発達していくのです、
ものを考えるときも言葉を使って考えます。コミュニケーションをとるときも基本的には言葉を使っていきます。どんどん言葉を入れることによって、ものを考えたり表現したりすることができるようなるのです。
さらにそこに論理的な考え方を入れることによって、子どもの脳はものごとを論理的に整理することができる。すると飛躍的に脳が発達していきます。そのためには、幼児期から漢字を読めるようにしなくてはならないのですが、今の教育というのは、幼児期は漢字をやらない。だから脳が発達しないのです。
では、どのように漢字を教えるのかいうと、出口式では「漢字カード」を使っています。例えば、4歳の子に実際に教えているのですが、「鼠」という漢字のカードを見せ、ヒントを与えて想像させてから、答えはネズミだよねと伝えます。また、「梟」という漢字カードを見せて「これは鳥に近い字が入っているね」とヒントを出します。梟(ふくろう)は大人でも読めない人もいるかもしれないですが、出口式では幼児にこういった漢字も教えています。
このように小学校に入るまでに小学校4年生までの配当漢字を漢字カードを使って読めるようにしています。出口式の授業では、最初に3、4分漢字カードを使っているのですが、子どもはみなこの時間が大好きです。例えば、牛・豚・羊・鳥という漢字を並べて「さあ、これ全部お肉だよ。今日、お肉を食べた?どんなお肉が好き?」と尋ねると「牛肉が好き!」と答え、ではどれが牛だと思う?・・と推測させたりしています。
画数の少ないものから子どもは覚えるのではなく、烏賊(イカ)、梟(ふくろう)、麒麟(キリン)など関心のある事はみんな覚えるのです。複雑なものの方が覚えていくのです。書けなくても、複雑な漢字を恐らく絵として子供は取り入れていくんでしょうね。特徴があるから印象に残り覚えていくのだと思います。
画数は関係なく、子供が身近なもの、動物や食べ物、花の名前などは、どんどん頭に入ってきます。このように幼児期に4年生までの配当漢字を全部読めるようにします。
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出口式では、画数の多い漢字でも幼児期から学ぶことによって、読めることから語彙力を高め、コミュニケーションや自分の考えを表現できるようになります。
次回(11/10)のコラムは、「漢字が読めることが読解力にもつながる」「6歳までに80%の脳が完成するが残り20%は?」という内容でお届けします。こちらもぜひご覧ください!!