コラム

国語の勉強の仕方がわからない生徒さん頻出!その理由をときます
幼児教育
論理
国語
大学受験

今、国語を教える力というのが損なわれています。今回はこのことについてお話していきたいと思います。

学校の先生、塾の先生、あるいは保護者の方、子どもたちにもこれはぜひ知っておいてほしい!

国語の学校の先生の学びの環境

まず学校。中学高校の国語の先生は、基本的には免許を取らなければならないので、ほとんどが文学部出身です。僕も文学部出身で国語の先生になりました。

文学部出身というのは今すごく珍しいです。私のときも男の人で文学部出身だと就職先がないと言われました。でも、文学部を専攻したのは、恐らく本を読むことが小さい時から好きな人。たくさん本を読んでいるから何となく問題を解くことができる。
国語は得意で好きで面白い。つまり、子供のときからのたくさんの文章を読む経験の積み重ねの中で、国語の先生の読解力・国語力が培っている。だから子どもたちがどうしたら国語の力がつきますかといったらば、特に方法があったわけじゃないのです。
たくさん本を読んできたその延長線上で、その先生の国語力があるので、本をたくさん読みなさい、問題をたくさんときなさい、という教え方になってしまう。
どう読んだらいいのか?どう解いたらいいのか?論理なんていうのは全く頭にないのです。特に文学的な人は、理系的な論理が苦手な人が多いです。だから習うより慣れろというやり方でした。
昔はそれでうまくいくこともありました。なぜかというと僕らは子どもの時、ゲームもYouTubeもアニメもほとんどなかった。だから本を読むしかなかった。子供の時からたくさん本を読んでいる子が、自然と国語力がついて、いい成績で大学に入っていたのです。

現代の子どもたちと先生の学びの環境の違い

今の子どもたちは本を読まなくなりました。教科書も、実は自分で読んでいるのではなく、先生の説明を鵜呑みにして、それを定期試験で答えているだけということが多い。
もちろん一般論で例外もたくさんあります。あくまで平均の話として、たくさん子どものときから本を読んで、本が好きで学校の先生になった。だから何となく問題は解ける。でもどう読み、どう解いたかというのは言語化できない。説明ができない。教科書は学習指導書があって、それを読んだら授業ができるのですよね。
そして子供たちに、本をたくさん読みなさい、そしたら国語力がつきますよとしか指導ができない。その先生の今までの活字体験の積み重ね量と今の子どもたちの読書体験の積み重ねの量というのは全く違うのです。

日本の国語教育の現状

これは教えるとか学びと違うと思います。どちらかと言うと芸事に似ています。例えば、琴や三味線、あるいは芸人もそうですね。これは教えられるものではく、師匠について弟子入りをして厳しい修行のもとに自ら会得するもの。本当に会得すれば、その人自身が人間国宝になれます。
だから子どもたち自身が努力してたくさん文章を読み、本を読み問題を解けば、もしかすると自然と国語力がつくかもしれない。
昔だったら子供は本を読んだから、ある程度力はついたかもしれないが、今の子どもたちは本を読まず、漫画、アニメ、ゲーム、そしてYouTubeなのです。
論理を子どもに教えて、文章は論理的に読むことが重要。論理的に読むから頭の中で読んだ情報が論理的に整理することができるのです。だから論理的に設問に対して答えることができる。こういった指導が全くできていないというのが、日本の国語教育の現状なのです。まさにその場その場で読めるか読めないかであって、再現性が全くないようなこの教育が今の日本の国語教育の大多数なのです。
塾の先生も国語を教えられない。ただ、問題を解かせて答え合わせをするだけ。全てが習うより慣れろなのです。

国語の勉強の仕方が分からない子どもたち

子どもたちの多くは国語の勉強の仕方がわからない。
日本語だから何とかなる、ほとんどの方がそう思っていると思います。習うより慣れろだけども、いくら本を読んで慣れたところで、その延長線上で、あらゆる問題がしっかりと解けるかといったら、やはり解けないのです。
なんとなく分かったような気がする。それでも選択肢が出れば何となく点を取っている。記述は、何となく文中の言葉を抜き出して繋げて点を取っている。でもわかっていないし、そのなんとなくをやっても、やっぱり何となくなので、再現性がない。なんとなくの度合いがよりマシなのか、全然分からないのかによって点数が違ってくいるだけなのです。こういったのが今の国語教育の現場であって、幼児から高校に至るまで、どれだけ膨大な国語の時間を無駄にすることが多いだろうかと思うのです。

国語力の中心は論理的な読解力

国語力の中心は読解力。その読解力が論理的ならば、小学校から高3まで12年間、文章を論理的に読む訓練をすれば、誰でも身に付く。これは全ての科目の土台です。さらには論理力が身につくと、しっかり自分で勉強できるようになるのです。
あるいは勉強が面白くなる。論理的に考え話し、書くことができる。だから、面接・集団討論・小論文・大学の論文の読み書き、これらに関係してきます。
子どもの時に細かい知識をたくさん詰め込んでも忘れてしまいます。あるいは、その場では点を取れるかもしれないけれども、論理的に文章を読み、論理的に考え話し、書く力はずっと使い続けると身に付いて一体化してきます。だから、忘れることもなく生涯使い続けることができる。こういう力こそ、本当に子どもの時に身につけさせるということが一番大切な教育だと思います。

引用:出口汪の学びチャンネル

関連する記事

人気の記事