コラム

未来を生き抜く子どもの教育 第2話 『AI時代、人間はより論理を鍛えることが重要』
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数学の分野で論理式を活用されています名城大学竹内先生と水王舎代表取締役の出口汪との対談「未来を生き抜く子どもの教育」の第2話をお届けします。
今回は、算数の計算からみたAI時代の論理力の重要性について語っていただいています。

算数での論理力の必要性

第1話では、AI時代に今までの教育方法でよいのか、ということから論理アカデミー開講の思いについて語っていただきましたが、第2話では算数の計算から見たAI時代を生き抜くための論理力の重要性についてお話していただきました。

竹内先生

竹内先生

AI時代に昔と同じ教育方法でよいのかというお話がありましたけども、全く僕も同感です。もう答えがわかっているものは、AIにどんどん取って変わっていくと思うんです。じゃあ人間の価値とか人間が必要なくなるか。私はそういうものではないと思うのです。

例えば・・算数の力というのは計算力だなんてよく言われることがあります。

少し前に全国学力調査という小学校文科省の問題があって、ちょっと衝撃的で話題になった問題がありました。
単純に言うと、4リットルのジュースを8人で分ける時、その数式はどれですかという問題です。

■4リットルのジュースを8人で分けるとどんな式になりますか
というと「4÷8」と答えるのですが、・・・

■8人で4リットルのジュースを分けると1人何リットルになるか
と言葉が入れ替わった瞬間に、正答率が50%になってしまうのです。これは衝撃的なことなのです。
まさに計算が機械的に何もわからずにやっているという子が半分以上いるということなのです。

計算力というのは、僕はまさに論理だと思っていて、計算の意味がわかる、どういうふうな仕組みかがわかるというようなことがすごく大事だと思うのです。しかし、小学校低学年は、いかに早く計算するか、九九が言えるかというようなことが重視されています。
ただ先ほど申し上げたように速く計算をするというのは、コンピューターの方がよっぽど速いのです。とすると、先ほどのような簡単な計算一つ挙げても、何でこういう計算をするのかというようなところがなお重要だと思うのです。

小学校の授業でよく見る光景で、お子さんが先生に「先生、これって割るのかけるの?」という質問をすることがすごく多いです。これは、機械的にやって何も考えていないということになるのです。

このような現実からみても、論理というものが子供たちに本当に一番必要なことだと思うのです。論理を鍛えなくちゃいけないときなのに鍛えてないことが、僕はすごく気になっています。そうした中で出口先生の国語の教材は、最後の方に算数も出てきます。

すごく面白く、「そうか!国語と同じように文章題とか論理を勉強していけば、算数もこんなに面白く自然に計算も考えられるようになるんだ」ということを経験をさせていただきました。
これからの時代っていうのは、まさに論理の時代だということだと出口先生とお話して改めて感じています。

ありがとうございます。もう記憶しなくても検索すればおしまいの時代ですし、計算も人間のやる仕事ではないという時代です。
コンピューターに仕事を奪われるような人間に育てるのか、それとも逆にコンピュータを使って今までできなかったことをやれるような大人へと教育していくのがすごく分かれるときだと思うのです。

計算をいっぱいさせるような塾などから子供たちが僕のところに来るのですが、設問を幾らも読まないのです。いきなりケースを当てはめ始めるのです。さらに先を予測してないから、普通考えたらあり得ない数字でも気がつかないのです。
ただ機械的にやるという、そういう脳として完成されてしまうことに、危機感を持っています。

出口先生

出口先生

今回の第2話は、算数の計算からみた論理力の重要性についての対談でした。
第3話は「AI時代に対応した子どもの脳」についてお届けいたします。お楽しみに!

<プロフィール>
竹内 英人(たけうちひでと)
元愛知県公立高校教諭。現在名城大学教職センター教授。
未来の中高の数学の教員を養成している。啓林館中学、高等学校数学教科書著者FocusGold代表執筆者
その他著者多数

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