子どもの脳は12歳まででほぼ完成すると言われていますが、小学生・中学生・高校生・大人になっても論理的な思考を学ぶべきなのです。学ぶ時期に早すぎる、遅すぎるということはありません!
予備校での経験と教育方法
私は長年予備校で教えてきました。予備校は浪人生中心で、18歳から20歳くらいの生徒ばかりでした。当時は詰め込み教育が全盛期だったので、生徒たちは完全に記憶脳になっていました。
生徒の中には、私の授業内容を知らずに何となく受講した子もいれば、有名な先生だと聞いて受講した子もいました。しかし、私の教育理念に共感して受講してくれた生徒も少なくありません。私の参考書を読んでいた、あるいは私の授業内容を事前に知って受講してくれた生徒もいました。
しかし、彼らの脳は、完全に詰め込み式の記憶脳になっていました。そこで私は、自分の頭で考え、頭の使い方を磨くことの大切さを教え込みました。現代文は、同じ文章、同じ設問はまず出ません。どんな文章でも読める方法こそが論理的な読解であり、その延長線上に自然と設問の答えが出てくる、これが論理的な解法だと説明しても、最初はなかなか理解してもらえませんでした。彼らは、真逆の脳になってしまっていたのです。
そこで私は、生徒たちに、このままではダメだと気づかせ、何かを変えなければいけないと思わせなければいけないと授業を進めていきました。
中には、私の授業に合わないと判断し、途中で辞めてしまった生徒もいました。しかし、最後まで信じてついてきてくれた生徒は、驚くほど成績を伸ばしました。つまり、18歳からでも論理的な思考力は身につくのです。
だったら、小学生は早いぐらいですよね。幼児と比べれば遅いかなと思うのですが、比べる対象が幼児であって、幼児から論理的な教育を受けられた子供たちは本当に恵まれています。おそらく、何の苦労もなく、論理的に考えることがごく自然に身についていくのでしょう。
しかし、18歳の生徒でも、今まで培ってきた脳の使い方を壊すために、私の問題集を自分で理解できるようになるまで何冊も解くように指示しました。