コラム

知識から思考へ ~新しい時代に必要な幼児教育とは~
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出口 汪
出口式
論理力
思考力

AI時代を生き抜くには、知識の暗記ではなく「自ら考える力」が不可欠です。本コラムでは、幼児期から思考力を育む重要性と、そのための教育のあり方を考察します。人生100年時代に向けて、今求められる幼児教育の姿を探ります。

人生100年時代に必要な幼児教育とは

いま、子どもたちを取り巻く社会は大きく変わりつつあります。コロナ禍を経て、AIの進化も加速しました。私たちが子どもの教育を考えるとき、「いま」だけでなく、大学受験や社会に出る頃の未来を見据える必要があります。

人生100年時代を生き抜くには、生涯学び続ける力が不可欠です。しかし、その土台は6歳までに脳の80%、12歳までにほぼ100%が完成してしまうと脳科学は示しています。つまり、この時期にどんな教育を受けるかが、その後の一生を左右するのです。

旧来の教育が抱えるリスク

従来の詰め込み型教育では、子どもたちの脳は「答えを記憶し、指示に従う脳」として完成してしまいます。そうなると、自ら考えることなく、人から与えられた答えに従うだけの人生になりかねません。これは、まさに「学ぶ力を奪われた脳」であり、100歳まで生きる時代には大きな不幸を招きます。

私自身、予備校講師として数多くの受験生を指導してきました。その経験を通じて、単に答えを求める教育ではなく、「考える力」を育てる教育の重要性を痛感しました。

出口式論理アカデミーの挑戦

こうした思いから立ち上げたのが「出口式論理アカデミー」です。幼児から小学生を対象に、単なる知識の習得ではなく、論理的に考え、言葉で説明し、人に伝える力を育てることを目的としています。

授業では「わかったかどうか」ではなく、「人に説明できるかどうか」を重視します。子ども同士で説明し合うことで、自分の頭の中を整理し、論理を明晰にする練習を積み重ねます。これこそが未来を生き抜くための真の学力だと考えています。

一人ひとりに寄り添う教育

出口式論理アカデミーでは、子ども一人ひとりの特性に合わせた指導を行います。ある子は高度な問題に挑戦し、また別の子は基礎に立ち返り、言葉で理解できるところから始めます。小さな成長を丁寧に積み上げることで、子どもたちは自信を持ち、学ぶことを楽しめるようになります。

新しい時代を生きる子どもたちへ

AIが計算や記憶を担う時代に、人間に求められるのは「自分で考え、創造する力」です。その力を育むには、幼児期からの教育が決定的に重要です。

出口式は、従来の教育の限界を超え、未来にふさわしい全く新しい幼児教育を実現する場です。子どもたちが「考える喜び」を知り、100年を自らの力で生き抜ける人材へと育っていく――その一助となることを願っています。

引用:出口汪の学びチャンネル

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