コラム

風船のかたち、考えのかたち
出口式
論理
思考力
具体
抽象

「風船」って、どんなものですか?と聞かれたら、あなたはどう説明しますか?
たとえば「風船」を見たことのない人がいたとしましょう。その人に、風船ってこういうものだよ、と伝えるにはどうしたらいいでしょうか?
今回は、出口式における「抽象化」という「学び」についてのお話をいたします!

風船にはどんな特徴があるでしょうか?

相手が知らないことを、わかるように伝える。その時、私たちは何をどんなふうに選び取って伝えているでしょう?そしてこの問題に「唯一の正解」はあるのでしょうか?

「空気を入れるとふくらむ」「いろんな色がある」「割れると大きな音がする」「紐をつけて飛ばせる」……。

さまざまな特徴が風船にはありますね。
(他にもたくさん思いついた人、すごい!)

授業の中でも、子どもたちは自由に風船の特徴を出してくれます。ではその中で、どれが正解で、どれが不正解なのでしょう?

森のどうぶつたちにも聞いてみました。

キツネくん「ふくらんでフワフワするのが風船だよ!」
リスちゃん「違うよ、風船ってお祭りのときにもらう楽しいもの!」
カエルくん「ぼくは割れる音が苦手だけど、そこも風船らしいところかな」

さて、どの意見が正しかったでしょうか?
あるいは、あなたの方がよく知っていると感じたかもしれませんね。

実は、みんな正解なのです。

風船から
色を取り出すと「カラフル」
性質を抜き取ると「ふくらむ」
反応を抜き取ると「割れると音が出る」
使い方を抜き取ると「イベントで配られる」

——すべてが風船の一面を表しています。

つまり、どれも正解です。

「なんだ、子ども向けの話じゃないか」と思われたかもしれません。
でも、実際の世の中には、こうした“正解がひとつではない問題”がたくさんあります。

そして、見ているのは同じ「風船」なのに、どこに注目するか、何を抜き出すかによって、人によって全く違う意見になる。

それを「違うから間違いだ」としてしまうのは、とてももったいないことです。

出口式の「抽象化」は、違いを楽しむ力を育てます

出口式論理アカデミーでは、
ものごとの特徴を「抜き取る」ことを【抽象化】と呼び、
それによって生まれるたくさんの答えは「見方が違うだけで、全部正解」と学びます。

たとえば教材では、
「好きな遊びは?」「どんな本が好き?」「どこに行ってみたい?」など、正解がいくつもある問いに取り組みます。

すると、
ボールが好き→サッカーが楽しい
お話が好き→絵本が好き
のんびりしたい→海に行きたい

——こんなふうに、生徒たちは互いの考えを聞いて感心し、自分の世界を広げていきます。

出口式では、正解がひとつの問題に論理的に取り組むだけでなく、
正解がない(正解が複数ある)問題に対しても、
「どう考えるか」その楽しさや方法をしっかり学んでいくのです。

「正しさ」だけではなく、「違い」や「多様性」を学ぶ場。

それが出口式論理アカデミーです。

ぜひ一度、のぞいてみてくださいね。

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