コラム

答えを求めるのではなく、自ら考える力を ~時代に適応した教育~
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出口 汪
論理
教育
思考力

今回は2歳から12歳までの子どもを持つ保護者の皆さん全員に知っていただきたい内容です。受験中心の教育では子どもが自ら考える力を育めず、答えを求めるような脳を形成してしまいます。新しい時代に必要な能力とは?

子どもの学びの風景の変化

以前は、物知りであれば世の中で役立つと考えられていました。
そのため、子どもの時から四則計算の早さや正確さ、多くの知識を詰め込むことが重視されていました。塾に通ったり、勉強教室に通ったり、家でも塾の宿題に取り組んでいたのです。

ところが、現代はコンピューター技術の発達により、計算や文字入力などが自動化されています。知識や技術があれば、すぐに活用できるようになりました。また、映像や自動翻訳機の普及により、言葉の壁もほとんどなくなってきています。

そういった時代の中で、子どもたちは生まれた時から自動的に音楽やアニメ、マンガ、映画などを見るようになっています。活字を読んで脳を鍛える必要性も減ってきました。一方で、論理的思考力や想像力など、新しい能力が求められるようになっています。

新しい時代の学びを考える

現代社会では、映像や音、光による刺激によって、人々は急速に情報を得ることができます。アニメや映画などにも、多くの人々が魅了されています。

また、少子化の進展にも注目する必要があります。実際、大学の学生数は半分近くにまで減少しています。特に難関私立大学では、合格者数の減少が顕著です。これは文部科学省の方針により、大学が学生数を絞り込んでいるためです。少子化は、私たちの未来を決める重要な課題なのです。

そこで重要なのは、現在の社会を見据え、子どもが必要とする学力について考えることです。
ただし、古い時代の成功体験に基づいた進学塾や教室は、時代が変わり必要とされる学力が変わった今では役に立っていません。子どもが頑張れば頑張るほど、結果は時代の流れに飲み込まれてしまうのです。
私たちには、新しい時代に対応した学びの方法を考える必要があります。

脳科学の進歩と教育

脳科学の進歩により、子どもの脳の機能は6歳までに80%、12歳までに100%完成することがわかりました。つまり、小学校に入る前に脳の8割が完成し、小学校卒業時には大人並みの働き方が確立されるのです。

この事実を踏まえると、これまでの受験中心の教育には限界があると感じています。完成された能力を評価する教育では、子どもの可能性を十分に引き出せないからです。
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子どもの脳は、自分で考えるよりも、試験に出る質問とその答えを覚えるという教育によって成長させられてしまいます。その結果、子どもたちは自ら考えようとせず、答えを求めるようになってしまいます。
しかし、社会に出れば容易に答えが見つからない場面も多くあります。そうした場合、子どもたちは拒絶反応を示してしまうのです。
教育には、単に答えを教えるだけでなく、子どもたちが自ら考え、思考力を育むことが必要です。そうすることで、子どもたちは自分で考え、それに基づいて行動できるようになります。つまり、他人の言葉に支配されるのではなく、自分の判断で生きていくことができるのです。

私が行う幼児教育は、完成された能力ではなく、新しい脳をデザインすることを目指しています。子どもの脳はまだ可能性に満ちているのですから、その可能性を最大限に引き出すことが重要なのです。

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引用:出口汪の学びチャンネル

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