どうやれば伸びるのか、あるいはどういう子が伸びないのか。生まれ持った遺伝子よりも教育や環境が大きいのではないでしょうか。
幼児教育、塾任せで大丈夫?家庭での取り組みがカギを握る
皆さん、お子さんの幼児教育について、一度考えてみませんか?
多くの保護者の方々が、幼児教室や塾に頼りすぎているように感じています。送り迎えだけ済ませて、教室での指導内容を全く把握しないまま、預けて安心していませんか?うまくいかなかった時に、教室のせいにする前に、考えていただきたいことがあります。
週1回50分のレッスンで、子供が劇的に変わることはありません。それ以外の時間、つまり家庭での教育が、実は最も重要なのです。だからこそ、当教室では、保護者の皆様にもレッスンに参加していただいています。
その理由は、保護者の方々に、レッスン内容の理解と、お子さんの「考える力」の育成方法を学んでいただきたいからです。「理解する」ことと「身につける」ことは別物です。レッスンで新しい考え方を理解しただけでは不十分で、家庭での継続的な取り組みが不可欠です。同じ能力を持つ子供でも、家庭での取り組み次第で、驚くほどの差が生まれます。私の経験からも、そのことは明らかです。
幼児教育は、教室任せではなく、家庭と教室の連携が成功の鍵を握ります。お子さんの成長を最大限に引き出すために、ぜひ家庭での学習にも力を入れてください。
家庭と教室の連携こそ、幼児教育の成功の秘訣
幼児教室に通わせるだけでは、お子様の成長は限定的です。教室での学びを家庭でしっかりと定着させることが、飛躍的な進歩に繋がるのです。
私の教室では、2歳から11歳までの子どもたちと保護者の方々に、一緒にレッスンを受けていただいています。その中で痛感したのは、教室だけで学習を完結させようとする限り、お子様の成長は停滞してしまうということです。
例えば、レッスンで理解できた内容も、1週間後に確認すると忘れてしまっている、というケースがよくあります。一方、家庭でしっかりと復習し、定着させたお子様は、次のレッスンでスムーズに進歩していきます。1年間同じ内容を繰り返すことになりかねないのです。
家庭での取り組みが重要であることは、様々な年齢、環境のお子さんを見てきて強く実感しました。以前は、自分の子供のことしか分からなかった私ですが、今では客観的に子供の成長を評価できるようになりました。
特に重要なのは、幼児期(2~3歳、小学校低学年)の学習です。ひらがな、カタカナ、簡単な計算といったレベルであれば、親御さんがお子さんの理解度を確認し、定着をサポートすることは十分可能です。 宿題として自宅学習を課す際、親御さんから「宿題を見てほしい」という声も聞きますが、幼児期であれば、親御さんと一緒にレッスンを受けた内容ですから、親御さんが確認し、理解度を把握するべきなのです。
もちろん、小学校高学年になると難易度が上がり、親御さんのサポートだけでは難しいケースも出てきます。しかし、幼児期においては、家庭での学習こそが、教室での学習の成果を最大限に引き出す鍵となります。
教室と家庭が連携し、互いに情報を共有することで、お子様にとって最適な学習環境を築き上げることができます。お子様の成長を最大限に伸ばすためには、家庭での学習を軽視せず、積極的に関わることが大切です。教室任せにせず、親御さんも一緒に学び、お子様を育んでいきましょう。
子供の伸びしろは無限大!遺伝子より教育と環境の力
幼児教室講師として、日々子どもたちと接する中で、改めて感じたことがあります。
それは、子どもの能力の差が、想像以上に大きいということです。2、3歳児でも、既にひらがな・カタカナを読み書きし、50分間も集中して授業を受けられる子もいれば、小学校高学年になっても落ち着いて人の話を聞けない子もいるのです。
私が初めて指導した生徒は、小学校4年生から2年半で英検準1級に合格し、翌年には1級にも合格しました。留学経験もなく、英語の才能が特別優れていたわけではありません。彼女の成功の鍵は、優れた国語力と、自ら学ぶ姿勢でした。大人向けの評論も理解し、小学生にして数学の専門書を面白がって読むほどの知的好奇心を持っていました。
一方、小学校高学年でも小学校1年生レベルの授業を受けている生徒もいます。しかし、だからといって諦める必要はありません。学校や集団授業では難しい個別指導で、その子のペースに合わせて学習を進めれば、驚くほど早く追いつきます。
子どもの成長には、遺伝子、教育、環境の3つの要素が大きく関わっています。
遺伝子は確かに重要ですが、後天的な教育と環境によって、その影響は大きく変えることができます。良い遺伝子を持っていても、適切な教育がなければ伸びませんし、逆に、恵まれた環境と教育があれば、遺伝子の影響を超える可能性も秘めているのです。

例えば、知的な本がたくさん置かれ、両親が読書や知的な会話を楽しんでいる家庭で育った子どもは、自然と読書好きになり、知的好奇心旺盛に成長します。逆に、そうした環境に恵まれない子どもは、読書や学習への意欲が低くなってしまう可能性があります。
生まれ持ったものは変えられませんが、教育と環境は変えることができます。だからこそ、塾や教室に全てを委ねるのではなく、親御さん自身が積極的に子育てに関わることが大切です。教室は、親御さんにとって最高のコーチングの場、そして進捗状況を確認する場として機能します。しかし、毎日の教育や躾は、親御さんしかできないのです。
子どもを育てる覚悟を決め、自分自身で子どもを守り、育てていく。この強い意志を持って子育てに取り組むことが、お子様の成長に繋がるのだと確信しています。
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引用:出口汪の学びチャンネル