コラム

9つの論理メソッド ~⑤イコールの関係~
論理
イコールの関係
比喩
メソッド

このメソッドは論理のとても大切な9つの点を簡単に分かりやすく説明したものです。
論理とはどういうものかということを理解いただけると思います。今回は5つ目の「イコールの関係」についてご説明いたします!

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イコールの関係

文章の中で筆者は、不特定多数の読者に向けて、論理的な筋道を立てて書いていきます。その際、抽象的な主張を展開する一方で、具体的な例示を用いることで、読者の理解を深めていくのです。

筆者の主張と具体例は、まさに「イコールの関係」にあると言えるでしょう。抽象的な主張を、具体的な事例によって裏付け、読者に理解しやすい形で提示しているのです。

つまり、イコールの関係を正確に言うと抽象と具体との関係です。筆者の主張は一般もしくは抽象。それに対して飾りは具体例・体験・引用なのです。

・筆者の主張(一般・抽象)
・具体例・体験・引用(具体)

抽象とは?具体とは?

これは具体との関係で決まります。

例えば犬は具体か抽象かどっちですかと言ったらば、チワワに比べれば犬は抽象ですよね。チワワ、ラブラドール、トイプードルの共通点を集めたものが犬です。
だから犬に対してチワワは具体。では、犬は抽象かと言ったらば犬・猫・キリンなどを集めた言葉は動物。となると動物は犬に比べて抽象。犬は動物に比べて具体なのです。
こういうように具体・抽象は相対的な関係になってきます。

論評の要点は抽象

評論や論説文を読む際、私たちは常に筆者の主張に注目する必要があります。なぜなら、これらの文章は、筆者が自身の主張を不特定多数の人々に伝えるために書かれたものだからです。

ところが、筆者の主張は多くの場合、抽象的あるいは一般的なものです。なぜなら、既に世間に広く知られている事実を改めて述べる必要はないからです。
そこで筆者は、読者に自身の主張を分かりやすく伝えるために、具体的なエピソードや体験談、あるいは同じ主旨の発言を引用するなど、具体例を示すのです。
ここで重要なのは、筆者の抽象的な主張と、それを裏付ける具体例が、まさに「イコールの関係」にあるということです。つまり、主張と具体例は表裏一体の関係にあり、一方なくしては他方も成り立たないのです。

では、このような論理構造を持つ文章の要点をどのように見つけ出せば良いのでしょうか。それは、まず筆者の主張(抽象的部分)に注目し、次にそれに続く具体例を見つけることです。
この「主張(抽象) = 具体例」のイコールな関係性を意識しながら、文章の読解に取り組むことが大切です。そうすれば、筆者の論理展開を的確に把握することができるはずです。

抽象とは

文章を読む際、私たちはしばしば内容の複雑さに翻弄されてしまいます。特に長文の場合、言葉や情報が多岐にわたるため、その全体像を把握するのが難しいことがあります。

しかし、長い文章であっても、その本質は非常に単純なものです。なぜなら、そこに描かれているのは、一般的な事項(抽象)と、それを具体的に示す事例(具体)の関係だからです。

例えば、「A君、B君、C君はそれぞれ異なる」という一般的な命題に対して、具体的な人物名が並べられています。つまり、抽象的な「男」という共通点と、個別具体的な3人の存在が対比されているのです。

このように、文章の中には必ず抽象的な主張と、それを裏付ける具体例が存在します。そして重要なのは、これらの要素がロジカルに関連付けられているということです。

したがって、長文の論理的な読解とは、まずこの抽象と具体の関係性を見出し、その核心となる要点を抽出することです。そして、それらの論理的な流れを正しく把握すれば、長文の内容を簡潔に理解することができるのです。

具体抽象を意識して問題を解いてみましょう

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具体・抽象の練習です。何と比べてかと考えると分かると思います。
この中で1番具体的なものは、「①自転車」ですね。
自転車をもう少し抽象的にすると次は「②二輪」ですね。
二輪をもう少し抽象的にすると「③車両」。
車両をさらに抽象的にすると「④製品」。
そして、製品を抽象化すると「⑤モノ」です。
このように具体と抽象は相対的な関係なのです。

次は文章問題です。
文章は最初に主張が来れば、次は具体がきます。具体(例)から来れば、後から主張が来るということが分かります。

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集中、注意すればわれわれの能力は大幅にアップする、と言っています。「たとえば」以降は具体例として「騒音のひどい電車の中で会話をしている2人がいるとする。聞きづらいにしても、なんとか互いに言っていることが分かる。ところが、これをテープレコーダーで録音して、聞いてみると、全体が雑音でぬりつぶされてしまい、なにを言っているのか、まるでわからない。」となっています。
構成としては、最初に主張を述べて次に具体例を示しているので、「ア」となります。

イコールの関係の比喩について

イコールの関係は具体・体験・引用のほかにもう1つ「比喩」があります。
筆者の主張は一般的抽象的といった大抵は形がなく目に見えない、ピンとこないという時、何か身近なものに一旦置き換える、これが比喩です。そしてこれもイコールの関係です。

この比喩には直喩と隠喩(メタファー)があります。
・直喩
「ような」「みたいな」を使った直接の比喩。
<例>彼女の頬はりんごのようだ。

・隠喩(メタファー)
隠された比喩。「ようだ」のような言葉はありません。
<例>りんごの頬
頬がりんごのはずはないので隠喩なのです。そういう時はは一旦、直喩に直します。「りんごのように真っ赤な頬」と言えば直喩になります。

比喩もイコールの関係の1つだと覚えていてください。

比喩の問題を解いてみましょう

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語られざることは存在しない。
そうです、欧米社会では発言しなければ、そこにいないも同然です。

これも同じことですよね。

外国学校でも、PTAでも、会議の席上でも、出席者は口々に発言しようとするではありませんか。たとえつまらない意見でも、幽霊にならないために。

幽霊が何の比喩かという問題です。
「いないも同然」でもよいのですが、5文字ですので「存在しない」こと、が解答となります。
それをたとえて幽霊だと表現しています。

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引用:出口汪の学びチャンネル

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